春の鶴岡に香るおいしさ ― 孟宗筍(もうそうだけ)
湯田川温泉
春の訪れとともに、山形県鶴岡市・湯田川温泉で味わえる特別な旬の恵みが「孟宗筍(もうそうだけ)」です。主に湯田川地区や温海の早田地区など、ごく限られた地域で育つこのタケノコは、やわらかく、えぐ味が少ないのが特徴。あく抜き不要で調理できるほどの上質さから、全国的にも高く評価されており春の風物詩として親しまれています。

特に注目されるのが、早朝に収穫されてから5時間以内の「朝掘り孟宗」。鮮度と香りの良さが際立ち、この“朝掘り”を求めて多くの旅人が湯田川を訪れます。収穫のピークを迎える5月中旬には、旬ならではの料理が並び、まさに春の味覚の主役です。

庄内地方を代表する郷土料理「孟宗汁」は、そんな孟宗筍の魅力を存分に味わえる一品。味噌と酒粕で厚揚げやシイタケとともに煮込まれた素朴であたたかみのある味わいは、春の風物詩として多くの人に親しまれています。

「孟宗ごはん」も人気の一品。にんじんや薄揚げとともに炊き上げられたごはんに、孟宗の風味がふわりと広がります。

さらに、孟宗竹に地酒を注ぎ入れ、香ばしく温めていただく「かっぽ酒」もこの時期ならではの楽しみ方。タケノコ料理と合わせていただけば、春の湯田川の恵みを五感で味わうことができます。
この時期に合わせて湯田川温泉で開催されるのが、毎年恒例の「孟宗まつり」。4月下旬から5月下旬にかけて、湯田川温泉の各旅館では孟宗筍をふんだんに使った絶品料理プランが提供されます。孟宗汁や孟宗ごはんをはじめ、朝掘りの孟宗を使ったさまざまなメニューを味わえるこの機会は、湯田川の春を体験する絶好のチャンス。また、5月中に旅館を利用された方には、湯田川ならではの豪華賞品が当たる抽選プレゼント企画も実施され、旅の楽しみをさらに広げてくれます。
- スポット情報
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この孟宗筍は、春の伝統行事「端午の節句」の祝い膳にも登場します。古代中国に起源を持つこの行事は、奈良時代に日本へ伝わり、江戸時代には男の子の健やかな成長と出世を願う日として広まりました。鶴岡では、笹巻きや孟宗筍のごはん、煮物などが祝い膳に並び、春の旬と家庭の温もりが感じられる食卓が広がります。料理の内容は地域や家庭によってさまざまです。
春の鶴岡を訪れた際は、ぜひ孟宗筍を使った郷土料理を味わい、この地ならではの豊かな食文化を体感してみてください。

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