癒しの羽黒山へ。山デビューにもおすすめの一歩。ゆったり楽しむ東北の山歩き

羽黒エリア

これまで300以上の山を歩いてきましたが、東北の山には特別な魅力があります。アルプスのような3000m級の険しい山々とは違い、2000m前後のなだらかな稜線や広大な湿原、可憐な花々との出会い。心が癒される体験が待っています。
東北の山形県には、月山や鳥海山、蔵王、吾妻山、朝日岳、飯豊山といった百名山がそろっています。どれも堂々とした名峰ばかりですが、私が「山歩きの入り口」としておすすめしたいのは、標高414mの 羽黒山です。

出羽三山のひとつ、羽黒山

羽黒山は月山、湯殿山とあわせて「出羽三山」と呼ばれ、古くから信仰の山として知られています。白装束の参拝者や山伏の姿を見かけることもあり、神秘的な雰囲気に包まれています。


山頂へと続く参道は、なんと 2446段の石段。杉並木に囲まれた道は、歩くだけで心が浄化されるよう。その美しさは「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」で三つ星に認定され、海外からの旅行者も訪れています。

初めての山歩きにもぴったり

羽黒山の標高は414m。ふもとの随神門(標高144m)から登ります。標準コースタイムは、のぼり約1時間20分、くだり約1時間です。

羽黒山YAMAPmouri

ある日の私のYAMAPの記録です。この日は足早に登りましたが、もっと時間をかけると山の空気がじっくり味わえます。険しい山ではなく、石段を一歩ずつのぼっていく参道は、初めての山歩きや気軽なハイキングにもぴったり。森に包まれながら歩くその時間は、ちょっと特別な「癒しのプチ登山」です。
参拝と考えると「2446段」の石段をのぼるのは大変そうですが、「山登り」と思えばあっという間。道もわかりやすく、迷う心配もありません。ちょっとしたトレーニングや、山デビューにちょうどいいコースです。
途中には小さなお社が点在し、参拝しながら進むことでご利益もたっぷり。二の坂にある茶屋でのひと休みは、まさにご褒美時間です。
山頂に到着すると、月山・湯殿山・羽黒山の三山を一度に参拝できる神社があり、すがすがしい達成感とともに特別なお参りができます。

服装と持ち物のポイント

羽黒山石段詣

カジュアルに登れるとはいえ、汗はかきますので、汗冷えしないように綿素材以外の服がよいと思います。途中に自販機等はありませんので飲み物は持参しましょう。

服装綿以外の動きやすい上下、春・秋は上着、リュック
トレッキングシューズ、スニーカー
持ち物500mlの水×1〜2本、おやつ、汗拭き用の手ぬぐい・タオル、スマホ(地図確認用)、お財布、御朱印帳など

石段は雨の日は滑りやすいのでスニーカーの場合は特に下りは注意してください。

羽黒山+αで楽しむ山旅プラン

せっかくなら、鶴岡をめぐる小旅行もおすすめ!月山は7-10月中旬(月山神社本宮は9月中旬まで)、湯殿山は7-11月上旬以外まで行くことが可能なので、シーズンなら、三山巡りがおすすめです。

1日目お昼頃に鶴岡着 → 羽黒山参拝 → 温泉でのんびり
2日目月山登山(7〜9月) → 温泉宿泊
3日目湯殿山参拝(7〜11月) → 帰路へ

特に夏の月山は花の山として有名で、お花畑が広がる稜線は感動もの。秋(9月)の紅葉も見物です。八合目の弥陀ヶ原を歩くだけなら、初心者でも気軽に歩けます。ただ、月山の山頂まで行くのは本格的な登山コース。しっかりとした装備で臨んでください。
湯殿山は山登りではなく、駐車場からバス(約5分)、または、舗装路を歩く(約30分)で本宮へ。山頂には立てませんが、ご神体を前にする参拝体験はここだけの特別なもの。古くから「語るながれ」とされ、詳しいことは秘密です…。だからこそ、実際に訪れて感じるひとときは、一生心に残る思い出になります。

スポット情報月山登山案内【7/1~】
スポット情報湯殿山

冬の羽黒山も特別な体験

冬の石段詣

雪に包まれた羽黒山は、静寂と美しさが際立ちます。私はひざまでの雪をかき分けて登ったこともありますが、凛とした空気と杉並木の雪景色は忘れられません。
ただし冬は石段が雪で見えないため、地元の方やツアーに同行するなど、安全面には十分な注意が必要です。地元の方は長靴で登るようです。軽アイゼンもあると安心です。

羽黒山で癒されてみませんか?

石段を一歩ずつのぼるうちに、森の空気に包まれて気持ちがすっと軽くなります。参拝後の清々しさと達成感は、きっと忘れられない体験になるはず。「初めての山歩き」にも、「心を整える旅」にもおすすめの羽黒山。ぜひ訪れてみてください。

羽黒山 石段詣
スポット情報羽黒山
関連ページサイト内-出羽三山

harutau / 登山と旅が大好きなクリエイティブディレクター。重たいカメラをリュックにしのばせ、季節ごとに表情を変える山を巡っています。鶴岡の山々に惹かれ、月山や羽黒山、金峯山などを歩きながら、グルメや温泉にもすっかり魅了されました。山も街もまるごと味わう旅が、私の楽しみです。