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7.蔵書と出版

(1)蔵書

致道館には、下級生用と上級生用の2棟の書庫がありました。蔵書は経部・史部・子部・集部・類書部・字書部・倭書部(わしょのぶ)・万国部に分類され、倭書部はさらに史・有識(ゆうそく)・軍書・兵書・地理・叢類・和歌管弦・雑書に分かれており、総数は1万1千部余りでした。

荻生徂徠は、初め朱子学を学びましたが、後に中国古代の言語(古文辞)を学ぶことによって経書を正しく理解し、孔孟の思想を追究しようとする古文辞学を唱えました。これは中国語が歴史的に変化していることに着目した結果といわれ、致道館でも、朱子学の解釈を排するため、後漢(西暦25年〜200年に栄えた中国の王朝)以後の書を読みたい者には、衆議を経て許可することになっていました。

 

(2)出版

致道館では、文化8年(1811)ごろから、句読所で使用する教科書類、つまり孝経・論語・毛詩(詩経)・尚書(書経)・大学中庸・葬礼略・周易解などを出版して頒布しました。これを「致道館本」と呼びます。印刷は、初めは木製活字による方法でしたが、その後版木による印刷が中心となりました。現在、活字が一本も見つからないのは大変残念ですが、幸い版木が317枚揃って残っていて、山形県の歴史資料に指定されています。

なお、版木は桜板で両面に2ページずつ刻されており、版下を書いた人も彫った人も、すべて明らかになっています。

▼「致道館本」と版木(致道博物館蔵)
 
「致道館本」と版木の写真
 
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